甘く、溶ける、君に。
それはそうだ、と素直に言葉が出た。
先に私が廊下に足をつけて歩きだすと、後ろから千輝くんがついてくる気配がする。
前触れもなく振り返ると、たしかに千輝くんが後ろについていて、私のうちに千輝くんがいるということを実感させられて。
唐突に振り返った私に対して不思議そうに首を傾げて、
ふわりと笑いかけてきた千輝くんに、私はもう今すぐにでも抱きつきたくなってしまって。
自分を保っていないと、本能のまま千輝くんにくっついてしまいそうで、自分が一番危険だった。
家だと油断しそう。
この家にあがる男の子はそういう目的でしかなくて、くっつくことにも違和感はなくて、だから私の方が危ないんだ。
最近は田邊しかうちには来ていないけど、田邊もすぐにくっついてくるからそれが当たり前で……ここにいる人は私の寂しさを埋めてくれる人ってことが前提で、ハグもキスも、それ以上も、当たり前で。