だって、恋したいもん!
第十三話 強引
そしてその夜、由依が本当に泊まりに来た。
ピンポーン♪
母「あ、由依ちゃん来たんじゃない?」
理佐「あ、うん…」
と、言って私は玄関へ行った。
扉を開けると由依が待っていた。
由依「お邪魔しま~す」
と、言って二人でリビングへと入ると…
母「あら、由依ちゃんいらっしゃい♪」
母「ずいぶん大人っぽくなっちゃって」
母「彼氏でも出来た?♪」
由依「いゃぁ~そんなのいませんよぉ~」
由依「うちの学校の男子ときたらろくなのいないんですから」
母「うそぉー、何だかどんどんキレイになってるわよ」
由依「いえいえ、そんな…」
母「ちょっと理佐にも誰か紹介してあげてよ」
理佐「あー……それはたぶん必要ないと思いますよー…」
と、由依がニヤついてこっちを見た。
理佐「ちょっともぉーやめてよー!」
理佐「早く2階行こっ!!」
理佐「お母さん、コーヒー2つ持ってきてね」
と、言って由依の背中を押して二人で2階の私の部屋へ上がった。
理佐「ちょっと由依ー!!」
理佐「もぉーお母さんに変なこと言わないで!」
由依「えー、だって心配してくれてんじゃん」
理佐「違うよぉー面白がってるだけなんだからー!」
由依「そんなことないでしょ、母親なんだから」
由依「そんなことより♪」
理佐「え……?」
由依「いつすんの?」
理佐「え? 何を??」
由依「もぉーとぼけてんじゃないよ!」
理佐「何にもとぼけてないよー」
由依「じゃあわかるでしょ?」
理佐「え? だから何?」
由依「ホントに……電話よ! で・ん・わ」
理佐「えーー……ホントにするのー……?」
由依「当たり前でしょ!!そのために来たんだから!!」
理佐「だってぇ……」
由依「だってじゃない!!」
理佐「えー……だってホントちょっと話しただけなのに……急に電話なんかしたら……」
由依「こう言うのはね、最初が肝心なの最初が!!」
理佐「うーん………でもぉ………」
由依「まぁ、タイミングは大事だから…」
由依「で、西野くんは今日はバイト何時に終わるの?」
理佐「え? 知らなーい」
由依「そっかぁ……でも学校終わってすぐ行ってるんでしょ?」
理佐「うん…何か出来るだけ早く、て言われたみたい…」
由依「なら…今日は5限で終わりだったから…」
由依「で、場所はあそこでしょ?」
由依「だったら3時前には入ってるから…」
由依「高校生のバイトだからいいとこ8時ぐらいまでじゃない?」
理佐「おぉー! 由依探偵だ!♪」
由依「ちょっとぉ!あんたも考えなさいよ!」
理佐「だってぇ…わかんないもん……」
由依「それでごはん食べてお風呂入って…」
由依「このへんは男子だから早いだろうし…」
由依「でもってそんなに遅くない時間じゃないといけないし、と考えたら……」
由依「まぁ9時半ぐらいか?」
由依「それまでにしっかり作戦練っときますか?♪」
理佐「おー、名探偵だ!!」
由依「なーんか他人事みたいに言ってますけどぉ、あんたが電話するんですけどぉー」
理佐「ホントにするのー……?」
由依「はい、絶対今日します!!」
と、由依の強引さに押されっぱなしの私でした…
第十四話へつづく…