だって、恋したいもん!

第百三十四話  意味深







義雄「ごめん、お待たせー」


と、彼が機材置き場のカギを借りて戻ってきた。



そしてみんなで校舎に向かって歩いているとちょうど茜が朝練を終わって戻ってきた。


茜「おはよう、みんな早いじゃん」

由依「うん、ギターを機材置き場に置きに行くところ」

美波「部室臭いからさ!」

茜「あー、タバコの臭いね!」

義雄「わー!だから守屋声大きいって!」

茜「知らないよー」


理佐「茜、今日も朝練やってたんだ」

茜「うん、一応ね…朝練だけは出とこうと思って」

理佐「すごいね、茜は…」

茜「木曜抜けさせてもらって成績落ちても嫌だし…後輩に示しつかないでしょ」

由依「さすがだねぇ」


茜「んじゃ、着替えてくるー」

由依「うん、また放課後」


と、言って茜は走って行ってしまった。



そして三階の機材置き場に入ると色んな楽器が雑然と置かれていた。



義雄「そこの左隅のドラムとかアンプのあたりがほとんど軽音のだからそのへんに置いとけばいいよ」


美波「ありがとう」
由依「ありがとう」

由依「こう言うところはけっこう気がきくんだけどねぇ~」

義雄「そうだろ」

美波「調子に乗ってるとまた茜に怒られるぞぉー」


と、美波が言うとバッ!と彼が振り返った。


義雄「ビビったぁ~…妙に殺気を感じたー」

由依「アハハッ、ビビりすぎぃー笑」

義雄「もぉーやめてくれよぉー」

由依「理佐でも泣かそうもんならもう地獄行きは決定だね」

義雄「え、そんなの絶対泣かすわけないじゃん」

理佐「え……」

義雄「何でオレが…?」

美波「ほらほら、そう言うところ!」

理佐「ちょっとぉーもぉー!」

義雄「よくわかんないけど、女の子泣かしたりなんかしないよ」

由依「知らずに泣かしたりしてるかもよ」

義雄「え、何だよそれー…意味深だなぁー」


美波「まぁまぁ、いつまでも待たせてるとそうなっちゃうよってこと」

義雄「…………」

理佐「もぉーいいからぁー!早くしないと予鈴鳴っちゃうよ!」

由依「はいはい、ほんじゃ行きますか」







第百三十五話へつづく…











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