だって、恋したいもん!

第百四十二話  大役







由依「さてと……じゃあそろそろ始めよっか?」

理佐「………?」


茜「理佐!あんたどうすんの?」

理佐「え……どうする、て?」

茜「な~んか中途半端な関係で満足してない?」

理佐「え……」


茜「つい何ヵ月か前のことを思えば進歩はしたけど……」

由依「そうだよねぇ~……あの頃は渡り廊下で練習聞いてるだけだったもんね」

茜「それが今や同じ部活で一緒に演奏してんだから」

由依「まぁ革新的な進歩だよねぇ~」


茜「でも大事なのはここからよ!」

理佐「え……」

茜「どうすんのよ?」

理佐「え……どうする、て……」

茜「告白しちゃいなよ!」

理佐「えーー!そんなこと言われても……」

茜「そんなこと言ってたらとられちゃうよ!」

理佐「えー……でもぉ……」

茜「綺良ちゃんだって狙ってるし!」

理佐「うん……」

茜「あの男、麗奈ちゃんのことお気に入りみたいだし」

理佐「うーん………」


美波「理佐とはいい感じだと思うんだけどなぁ~」

茜「でしょ!? 理佐から言えば絶対大丈夫だよ!」

理佐「えー!そんなの私からは……」

由依「そうなるとどうやってあの男から言わせるかなんだよねぇ~」


茜「期末試験終わって夏休み入ったら週に一回しか会えなくなるよ」

尾関「去年も夏休みずっとバイトしてたよ」

美波「じゃあどっか遊びに誘ったりしてもこれないじゃん」


尾関「あ、でもお盆はお店休んでたよ」

茜「お盆て……まだ二ヶ月も先じゃん!!」


由依「とりあえず祇園祭だね」

茜「そうだよ! 祇園祭!♪ さすが由依!」

茜「祇園祭誘おうよ!!」

理佐「えー!行きたいけどぉ……」

美波「あたしも行きたーい」

尾関「じゃあみんなで行こうよ!」


茜「んーー……まぁとりあえずそれでもいっか!!」

由依「ちょうど試験終わって試験休みだからね」

美波「イェーイ!!祇園祭ぃー!!」

尾関「やったね!祇園祭ぃー!!」


茜「じゃあ理佐、誘っといてね」

理佐「え……私…?」

茜「うん、そう!理佐ね」

理佐「えーーー!!!」



と、言って私は大役を仰せつかったのでありました……



えーーーん……







第百四十三話へつづく…











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