だって、恋したいもん!

第百五十九話  梨加







そして月曜日……


ホームルームが終わると私は一目散に図書室へと向かった。


図書室へ入るとまだ生徒は誰も居なかった。



私は入り口からよく見える席へ座ると間もなく図書委員が入ってきた。



「あ、理佐じゃん」

ふと見ると図書委員をしていた時に仲良くしていた梨加だった。




















理佐「あ、梨加……久しぶりだね」


梨加「うん……試験勉強?」

理佐「あ、うん……」


梨加「そう……頑張ってね。 私、返却の本片付けないと」

理佐「うん、梨加も頑張ってね」



理佐「私抜けて大変じゃない?」

梨加「大丈夫、一年も何人か入ってくれたから楽だよ」


理佐「そう……よかった」

梨加「理佐らしいね、そんな心配して」

理佐「え、そんなぁ……」


梨加「この前の昼コン、カッコよかったよ」

理佐「あ、見てくれてたの?ありがとう……」



梨加「うまくいくといいね」

理佐「え………何が……?」


梨加「フフフ……じゃあね」

理佐「あ、うん………」



と、梨加は返却された本の整理に本棚の方へ行った。



相変わらず不思議な感じの子だなぁ……



そして私は教科書を取り出して自分の勉強を始めた。



しばらくすると数人の生徒が入ってきて散り散りに座り、みな試験勉強を始めていた。



まだかなぁ~……


遅いなぁ……





そして15分ほどすると彼が入ってきた。


義雄「渡邉さん、ごめんお待たせ」

理佐「うん、来てくれたんだね」

義雄「腹減っちゃって購買にパン売れ残ってないか見てきたんだよ」

義雄「渡邉さんも食べる?」


と、彼がパンを取り出すので…


理佐「え!!ダメだよぉ図書室での飲食は!」

義雄「あ、そうなの?」


と、言いながらもパンを一口かじった。


理佐「ダメだって!早く片付けて!また怒られるよ!」

義雄「あ、そぉなの?ごめんごめん」

理佐「もぉー!西野くん自由すぎ!!」


と、彼の天真爛漫な姿を見ているとつい笑えてしまった。







第百六十話へつづく…











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