だって、恋したいもん!
第百九十六話 練習日
少し歩いて人混みの先に見える灯りのほうへ行くと、
義雄「あー、あったあった!」
美波「あっ♪お好み焼きぃー♪」
茜「こっちとうもろこしもあるよー♪」
尾関「たこ焼きもー♪」
由依「いか焼きもあるじゃん♪」
義雄「じゃあこの辺りで腹ごしらえしていこっか!?」
美波「イェーイ」
そして皆がそれぞれに食べたいものを買ってきて、雑居ビルのエントランスの前の空き地でしゃがみ込み、それぞれが分け合いっこして食べ始めた。
茜「やっぱ大勢いで来ると楽しいね♪」
美波「うん♪ 祇園祭最高ー!」
尾関「ねぇねぇ、あっちにベビーカステラもあるよー♪」
美波「あっ、ホントだー!おぜちゃん買いに行こうよー♪」
と、言って二人はベビーカステラを買いに走っていった。
斉藤「オレ、かき氷買ってくるわー!」
秋元「オレ、どて焼き買ってくらー!」
岩本「オレ、何か飲み物買ってくるわ」
茜「あ、岩本くんあたしも一緒に行くね」
岩本「じゃあみんなの分も買って来ようか?」
茜「そうだね、何がいい?」
岩本「適当でいいんじゃない?」
茜「うん、じゃあ理佐たちはここ動かないでねー」
と、それぞれに買い出しに行った。
私たち四人は場所取りで残されてしまった。
由依「みんな行っちゃったね……」
理佐「いいのかな?」
橋本「まぁとりあえず任せとけば?」
義雄「うん、次の買い出しのときはオレたちで行ったらいいじゃん」
由依「そうだね」
そして遠くから聞こえてくる祇園囃子を聞きながら夏休みの話になった。
義雄「みんな夏休みは何か予定あるの?」
由依「うん、まぁ……夏期講習行ったりとかかな?」
理佐「そうだね……他は特に予定は無いかな?」
義雄「もしみんな良ければ女の子バンドの練習日とるから集まって練習してみれば?」
由依「え、いいの?」
義雄「うん、一応顧問と他の部員も空いてる日は使えばいいじゃん、て言ってくれてるし」
由依「うん、じゃあまた五人で相談してみるね」
義雄「決まったらまた教えて、カギのこととか戸締まりのこととか教えるから」
由依「ありがとう」
由依「理佐、いよいよあたしたちも本格的に出来そうだね♪」
理佐「うん、楽しみだね♪」
そう話していると美波とおぜちゃんが戻ってきた。
由依「美波、おぜちゃん!夏休み部活空いてる日は女の子バンドで使っていいんだって」
美波「え、ホントに? やったー!♪」
尾関「いいの?」
理佐「うん、おぜちゃんバイトは大丈夫?」
尾関「うん、どうせ夕方からだから大丈夫だよ」
美波「あたしも夏期講習が無い日ならいつでも大丈夫だよ♪」
そして茜と岩本くんが二人でジュースを抱えて戻ってきた。
茜「わかんないから適当に買ってきたよー」
義雄「ありがとう♪」
そして茜にもその話をすると…
茜「うん、テニス部はいつでも抜けられるから大丈夫だよ」
と、言って私たち女の子バンドもいよいよ本格的に始動することになった。
第百九十七話へつづく…