だって、恋したいもん!

第百九十五話  お腹すいたー!







みんなで歩行者天国の列へと突入していくと、




斉藤「うわっ!すげぇ人!!」

秋元「出店てどこにあんだ?」

橋本「烏丸のほうまで行かねーとねーぞー!」

岩本「マジで!!?たどり着けるかなぁ…」

義雄「まぁちょっとずつでも進んでるからいつか着くだろ!!?」


と、みんな固まってなんとか少しずつ進んでいた。




私は一番後ろでその前の彼の後を必死に付いていってた。






義雄「渡邉さん、大丈夫?」

理佐「うん、なんとか……」

義雄「はぐれないようにオレの袖、掴んでなよ」

理佐「あ、うん……ありがとう」


と、言って私は彼の浴衣の袖口を掴んで彼に付いていった。



義雄「あ、ほら!長刀鉾!!」

理佐「え、どれ?」

義雄「ほら、あそこ!」


と言う彼の指差す方を見上げると、鉾の切っ先に刀の付いた鉾が提灯の薄明りに照らされて悠然と佇ずんでいた。


理佐「すごーい♪カッコいいね♪」

義雄「うん、よく小さい頃親父に模型買ってもらったんだ」

理佐「へぇ~……そうなんだ」

義雄「先頭だしカッコいいし、一番人気だからね」


と、私の知らない頃の彼の話をしてくれた。






そしてなんとか四条烏丸の交差点までくると少し広々として人と人との間隔がとれるようになった。




斉藤「やっぱすげぇな人混みが!」

義雄「みんなはぐれてない?」

茜「うん、いるよー」

美波「あたしも大丈夫!」

尾関「あたしもー!」

由依「あれ……理佐は?」

義雄「あ、渡邉さんオレの後ろ」

理佐「うん、大丈夫」

茜「おっ♪ちゃんと守ってくれてんじゃん」

義雄「え………」

理佐「…………♪」


と、茜の一言でからかわれるかと思ったら…


美波「お腹すいたー!」

と、美波が大きな声で言った。



すると続いておぜちゃんも…

尾関「あたしもー!」

と言い…

斉藤「オレもー!」

秋元「オレもだー!!」


と、みんな次々と声を上げ話が逸れて私はホッとした。




義雄「とりあえず何か腹の足しになる出店探そうか!?」

茜「どこにある?これだけ人多かったら探すの大変だよ!?」

義雄「大通りより縦横の細い道行ったほうがあると思うよ」


と、彼の提案でみんなまた動き始めた。







第百九十六話へつづく…











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