だって、恋したいもん!
第五十九話 ポップコーン
そして楽器屋に自転車を置いて歩いて映画館へ行くと上演5分前だった。
義雄「ちょうどいい時間だったね」
理佐「うん、そうだね」
そう言いながら彼がチケット窓口へ行き、
義雄「高校生2枚お願いします」
と、言ってチケットを買おうとしたので私は…
理佐「あ、私チケット買うから!」
と、言うと彼は…
義雄「いいよ、オレが出すよ」
と、言った。
理佐「ダメだよ! 私が誘ったんだから!」
義雄「え、だって女の子にお金なんて出させられないよ」
理佐「ダメ! 今日は私が出すの!」
と、私が言うと彼は…
義雄「わかった、じゃあ割り勘にしよう♪」
と、言った。
理佐「あ……うん……ごめんね」
義雄「いや、オレのほうこそごめん…」
と、言っているとチケット売り場の女性が…
「あのぉ~…始まりますよ?」
と、言うので二人で顔を見合わせて…
「すいません!」
と、言ってチケット代を支払い急いで映画館へ入った。
場内へ入るとほぼ満席だったけど、
一番後ろの席が二つ空いていたのでそこへ座ることにした。
理佐「よかったね席空いてて♪」
義雄「うん、結局ギリギリになっちゃったね」
理佐「本読んだ?」
義雄「うん、八割ぐらい読んだかな?」
理佐「じゃあラスト知らないんだ」
義雄「うん、楽しみだよ♪」
義雄「あ、そうだ!飲み物買ってくるよ!」
と、言って彼が席を立ったので私も慌てて…
理佐「あ、ダメ!私が買ってくる!」
と、立とうとしたが彼に肩を押さえられ…
義雄「ダメ!ちゃんと席とっといて!」
と、言われ座らされた。
理佐「え……」
と、戸惑っていると彼が…
義雄「何がいい?」
と、聞いてくれた。
理佐「じゃあオレンジジュースで」
と、言うと…
義雄「わかった、じゃあちゃんと座っといてね」
と、言って出て行った。
そして、少しすると彼が戻ってきた。
義雄「ポップコーンも買ってきたから一緒に食べよう♪」
と、言って両手にジュースを持ち胸の前でポップコーンの入れ物を抱えていた。
理佐「一番大きいの買ってきたんだー」
と、驚いていると…
義雄「え?食べるでしょ?嫌いだった?」
と、聞いてきた。
理佐「うぅん、ありがとう♪」
と、言ったところで上映のブザーが鳴った。
第六十話へつづく…