だって、恋したいもん!
第六十四話 突然の申し出
義雄「あのさぁ、オレちょっと考えてたんだけどさ…」
と、彼が話し始めた。
義雄「みんなまだこれから練習するじゃん?そしたらみんなで合わせるまでまだ少しかかると思うからさ、その間ちょっと渡邉さん貸してくれないかな?」
理佐「え?」
由依「え?」
理佐「どういうこと??」
義雄「うちのバンドさ、キーボードいないからさぁ…やりたい曲あるんだけど出来なくて…」
義雄「それでね、渡邉さんの練習がてら1曲だけオレらのバンドにヘルプで入ってくんないかな?」
理佐「え!!? 私が!!?」
義雄「うん、キーボードはあるから………譜面渡すから練習だけしといてくれたら…」
理佐「えー………出来るかなぁー……?」
義雄「大丈夫だよ!そんなに気構えなくても」
義雄「やってみて無理なら無理でその時はまた考えればいいじゃん」
理佐「えー………」
義雄「お願いっ!オレずっと前からやりたかった曲なんだよ」
由依「理佐、チャンスじゃん♪」
理佐「えー……う、うん……」
義雄「え!♪ ホントに?♪ いいの?」
理佐「う、うん……一度じゃあ譜面見てみる……」
義雄「やった!じゃあ明日学校に持って来るよ!♪」
義雄「でさぁ、しばらくは木曜日のオレたちの練習日にみんなで一緒に練習すればいいじゃん♪みんなにはもう言ってあるからさ♪」
と、突然の彼の申し出に私は戸惑いながらも一応オッケーとは言ったものの…
美波「もうあたしお金払ってきたよー」
と、そこで美波が戻ってきた。
美波「どしたのー?」
由依「理佐が西野くんのバンドに入るんだって!」
美波「え?どういうこと? あたしたちとは?」
由依「みんなで出来るまでにちょっとだけやるんだって」
美波「へぇー、そうなんだ…よかったじゃん理佐♪」
理佐「う、うん……」
由依「でね、木曜日の西野くんたちの練習日に一緒にやらせてくれるんだって」
美波「え、ホントに?いいの?」
義雄「うん、大歓迎だよ♪」
美波「やった!さすが西野くん♪理佐の惚れた男だけあるね♪」
理佐「わーーー!!!!」
理佐「何言ってんの!!美波ぃー!!!」
義雄「え、またどうせ冗談でしょ?」
由依「………」
美波「………」
理佐「え、ちょっと黙らないでよぉー!」
義雄「あはは……」
義雄「えっとぉ~、小林さんギター以外はいいの?」
由依「あー、うん…アコギのがあるからギターだけでいい、かな?」
義雄「あ、そぉ……で、それにする?」
由依「うん、これにする♪」
店員B「じゃあレジの方でお会計を……いゃぁ~青春だなぁ~♪」
義雄「ちょっと井上さーん!」
と、何だか大変な展開になってきたようで私はどうしていいのか………
第六十五話へつづく…