だって、恋したいもん!
第八十一話 カウント
そして木曜日の放課後…
由依「さてっと、行こうか?♪」
理佐「うん…」
由依「どしたー? 緊張してんなー笑」
理佐「そりゃするよー」
由依「まぁまぁ、今日は初めてなんだから…」
理佐「うん、まぁ…」
茜「理佐ぁー♪由依ぃー♪ 先行っとくよー!」
と、茜が教室の横を叫びながら走って行った。
理佐「茜……」
由依「茜……」
そして旧校舎の三階に上がると茜と斉藤くんがドラムを運んでいた。
茜「やっぱドラムが一番セッティング大変だよねー」
斉藤「まぁこればっかはしゃーないよ」
斉藤「そのかわり持ち歩かないでいいけどな」
茜「そうだね、スティックだけでいいしね」
理佐「茜ー、私も手伝うよ」
茜「あー、ありがとう…でもいいよ、理佐は理佐の準備しなよ♪」
理佐「いいの?ごめんね…」
由依「まぁ二人で仲良くやってるしね♪」
斉藤「おーぃ、オレこんなじゃじゃ馬手なずけるの無理だぞー!」
茜「じゃじゃ馬ってなによー!!!」
由依「アハハ、もうすでに夫婦みたいだし」
斉藤「おぃおぃ、オレ彼女いるぞー」
そして教室へ入るとすでにキーボードも準備されていた。
橋本「あ、渡邉さん…もう音出せるから調子見といて」
理佐「あ、ありがとう♪」
そして少し音を出してみた。
義雄「どぉ?いけそう?」
と、彼が近くに来て声をかけてきてくれた。
理佐「うん、とりあえずは…」
義雄「じゃあみんなの準備が出来たら合わせてみよっか?」
理佐「うん…」
そしてみんなが音を出してチューニングをし始めた。
わー、緊張するなぁ~……
由依と美波は隅っこで向かい合って由依が美波に教えている。
「理佐、大丈夫?」
振り向くとおぜちゃんが側に立っていた。
理佐「うん、大丈夫♪」
尾関「じゃあ隅っこで見てるね♪」
と、言って由依と美波のところへ椅子を持っていった。
そして茜もドラムのセッティングが終わりみんなのところへ行った。
斉藤「おーぃ、いいぞー」
義雄「オッケー、じゃあとりあえずいけるとこまでやってみよっか」
と、彼は私の方を見てアイコンタクトしてきた。
私もうなずいてそれに応えた。
そしてドラムのスティックのカウントが始まり演奏が始まった。
第八十二話へつづく…