だって、恋したいもん!
第九十三話 旦那
職員室へ行くと顧問の木戸先生がいて、
木戸先生「おー来たかー、とりあえず講堂に行くかー」
と、言って今度は講堂へ移動した。
木戸先生「女の子バンドはどうすんだ今回は?」
義雄「いやまだそんなすぐは無理だよ」
木戸先生「そっかそっか…」
義雄「とりあえず文化祭に向けて練習しようか、てとこ」
木戸先生「そっか…でも楽しみだな♪」
義雄「え、何で?」
木戸先生「そりゃ女の子の方が華があるだろー!」
義雄「えー、何だよー!それただの先生の趣味じゃーん!」
木戸先生「まぁしばらく軽音はちゃんと活動した女子部員はいなかったからな」
義雄「そうなんだ」
木戸先生「そう言うのもあってオレは楽しみにしてるんだよ」
義雄「なんだー、ただのスケベかと思ってたよ!」
木戸先生「こら!よしお!!お前ー!!」
義雄「アハハ、でも三年はこれで最後だけど…」
木戸先生「あいつらもなぁ…去年の三年が上手すぎたからなぁ…」
木戸先生「やっと引退したかと思ったら今度はお前らが入ってきただろ?」
義雄「え、何?」
木戸先生「そりゃ後輩の方が上手かったらやる気無くすだろ!?」
義雄「えー、そうかなぁ…でもあの人たちもちゃんとやれば上手いと思うんだけどなぁ…」
木戸先生「まぁなぁー…」
木戸先生「で、一年はどうなんだ?」
義雄「うーん…女子二人だけなんで…」
木戸先生「そうかぁ…まぁ部員募集の張り紙とかは申請したらいつでもいけるからな」
義雄「ありがとう、先生」
木戸先生「で?お前ら出番の日はまた午前中サボるつもりだろ!?」
義雄「え、いやぁ~ソンナコトナイデスケド…」
木戸先生「お前らなぁ~、オレの立場もちっとは考えてくれよ!他の先生から言われんだからなぁー!」
義雄「そうなの?」
木戸先生「まぁな、特別な日てのはわかるんだけど…」
木戸先生「まぁ、しゃーないかっ!!青春は一度っきりだからな!」
義雄「先生、わかってんじゃん!」
木戸先生「そりゃオレにも高校生のころはあったんだからな!」
木戸先生「まぁ何とかごまかしといてやるよ!」
義雄「さすが先生!!」
由依「え?理佐、あんたも授業サボるの?」
理佐「え………」
義雄「あー、渡邉さんは大丈夫だよ!途中からだから……4限終わってから来てくれても充分間に合うから」
理佐「そうなの?……でも……」
橋本「大丈夫!キーボードのセッティングはオレがやっとくから」
理佐「え、いいの……?」
義雄「うん、優等生が授業サボるなんてダメだよ♪」
理佐「え、そんなぁ…」
義雄「大丈夫だって!」
由依「いい旦那じゃん♪」
理佐「え、ちょっとぉ!」
義雄「ん?何それ…?」
由依「ズルッ!!」
橋本「ズコッ!!」
第九十四話へつづく…