溺愛前提、俺様ドクターは純真秘書を捕らえ娶る


 そう言ってくれた菜々恵さんは「なんか、偉そうなことを言ってすみません」なんて謝ったけれど、まったくそんなことは思わなかった。

 むしろ、寄り添って背中を押してもらっているような、そんな気持ちになっている。


「菜々恵さん、ありがとうございます。もうちょっと、自信を持ってみようかなって思えてきました。菜々恵さんのおかげです」


 私からの言葉に、菜々恵さんはぱっと表情を明るくさせる。


「私たち、同じ立場のようなものですし、これからぜひ仲良くしてくださいね!」

「はい。ぜひ!」


 こっちで話に花が咲いているのに負けじと、おもちゃを開けたリビングの子どもたちからも賑やかな声が聞こえてくる。


「でも、晃汰さんもきっといいパパになると思いますよ。こうやって子どもたちと接しているのを見ていてそう思えますもん」

「菜々恵さんが言うなら、きっとそうかも。それに期待ですね」


 そんなことを言ってクスクスと笑い合う。

 普段見られない晃汰さんの姿に、また新たな彼への好意を感じていた。

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