溺愛前提、俺様ドクターは純真秘書を捕らえ娶る
「すごく、嬉しいなって……そこまで考えてもらってて、私、幸せ者だなって」
「千尋……」
自分で口にした通り、千尋は本当に幸せそうな柔らかい笑みを浮かべてしみじみとそんなことを口にする。
ホッと安堵して、動揺を悟られないように「当たり前だろう」と返した。
「晃汰さんに提案してもらった通り、計画分娩で私も賛成です。晃汰さんに立ち会ってもらえるのが一番嬉しいから。あの、あともうひとつの提案っていうのは……?」
「ああ、あともうひとつは、出産は無痛分娩もできるということだ」
ほんわかとした笑みが浮かんでいた千尋の顔が、また真剣な表情へと変化していく。
「無痛分娩……」
独り言のようにぽつりとそう呟いた。
「陣痛がどれくらいの痛みのレベルかというのは、初(うい)産(ざん)の妊婦の場合、指を切断したと同等の痛みだと言われている」
「ゆ、指を切断、ですか⁉」
脅すつもりではなかったが、千尋の血の気の引いたような表情がそれを物語っている。