シルバーブロンドの王子様が甘すぎる〜海を越えた子守り唄

光輝くんは黒髪眼鏡でぱっとしなかったけど、優しくて穏やかで…わたしをかわいいって言ってくれた。
地味でブスで冴えない…しかも、赤い瞳をしているわたしを。

子どものころから赤い瞳を気味悪がられて孤立したし、虐められたこともしょっちゅうで。友達なんて一度もできずに、家族もいない取り柄もないわたしに初めて告白してくれたひと。

“くるみはくるみだよ!ボクには世界一かわいいし自慢の彼女だから!”…って言ってくれた。

20歳から付き合いはじめて…光輝くんといる日々は幸せで…怖いくらいだった。

コンビニの店長をしてる光輝くん。わたしが19歳で働き始めてから、ずっとずっとそばにいてくれた。エミリもシフトが被って話してるうちに、派手な外見に似合わず女優さんになる夢を追って輝いていて…。

たくさん助けてくれたし、相談にも乗ってくれた。たまに3人で出掛けて…2人が仲がいいな、と思うこともあったし、エミリのアドバイスで光輝くんがどんどんオシャレになったのも気になったけど。かっこよくなって得意げになる彼に、今までの方がいいなんて言えなかった。

最近光輝くんがよそよそしくなったり、帰りが遅かったのも…このためだったの?
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