【続】酔いしれる情緒


「っ、あっ…!」



私が私じゃないような声が漏れると、
その刺激よりも一気に恥ずかしさが増す。


手を口にあてて声が漏れないようにすれば、春がそれを阻止。


ゆるりと取られた手は春によって掴まれて、ベッドに縫い止めるようにして押さえ込まれる。



「凛…」

「…ん…っ…!」

「凛っ…」



春は何度も私の名前を呼んだ。


何度も何度も何度も

夢にまで出てくるくらい、
『凛』と優しい顔で優しい声で名前を呼んだ。



「春っ…」

「ん…?」

「はる…っ…」



頭の中は春でいっぱいで

他は何も考えられない。

ずっと、このままがいい。



「愛してるっ……」

「…俺も、愛してるよ」



もう何もかもぐしゃぐしゃになっているけど構わない。


私だけを見て、私だけに触れて───…





「もうっ…どこにも行かないで…」




快楽に溺れながら、私は彼にそうお願いした。

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