【続】酔いしれる情緒
これ以上混乱させるのは良くないと思い、首元に絡みつく腕を引き離そうとする。が。
「凛」
春に名前を呼ばれると
どんな状況であっても振り向いてしまうのが私であって、
そんな私の顔を後ろから覗き込むように見る春は にへら と口元に笑みを浮かべたまま
「っ、なっ…」
私にキスをした。
そう。
コイツは今、
変装用のマスクをずらして
人前で私にキスをしたのだ。
「…まずいな」
橋本が顔を歪ませながらボソッと呟く。
私達のいる席が騒がしかったからか、元々他のお客さんから注目されていた中で春が変装を解いた。
一瞬だけ静まった店内。
だが、3秒もかからないうちに店内では悲鳴のような声が広がった。