【続】酔いしれる情緒


「拒否しなかったってことは……今でも、アタシのこと好き?」



耳障りな甘ったるい声色。

耳を塞ぎたくなる。



そしてまた、春は一花さんの顔を覗き込んで───…



「こんな行為、俺にとってはただの挨拶程度だよ」

「……………え?」

「変に勘違いすんな。」



一花さんの表情がピシッと固まったみたいに動かなくなった。


そんな彼女を置いて春がくるりと振り返ると



「はる…?」



私の元に戻ってきては、



「───ん!」



どこか急ぐように口付けを交わしてきた。



触れるだけの軽いやつなんかじゃない。


はじめから息も出来ないような、強引に割り込む舌が口内を激しく犯す。


見られているのに

微かに血の味もする、のに。



「……んぅ……っ……」



私自身も無我夢中になってた。



春の背中に腕を回し、ギュッとしがみついていた。


唇が離れると、私は大きく息をする。


あんな激しいキスをしたというのに、息も荒れずにケロッとした顔をする春をいつもなら憎く思うけど



「こうやって身も心もめちゃくちゃにしたいと思うのも、一時も離れたくないと思うのも。
俺にとっては凛だけで、この先も一生揺るがない。

俺が心底愛してるのは凛だけだ。」



サラッとそう言い放つ彼にはもう言葉が出なくなる。



そんなことを言えばまた、彼女の逆鱗に触れるだけなんじゃ。



彼女に見せつけるようにされたキス。


けど、見られて恥ずかしい気持ちは全くなかった。


寧ろもっと見せつけてやりたかった。



彼女の心に深く刻み込むように。春は私のものだと、全身全霊でそう感じてもらうように。

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