純心と屈折と/少年に心を掴まれた少年
その7



その視線を正面の律也に固定させながら、ユウトは右手をヨーコのスカートの中へと侵攻した。


「はあ…」


たちまちヨーコは体をくゆらせ、熱い吐息を漏らしている。


「やだ~、ユウト、やけに大胆ね。ヨーコ、カレ、律也君と見つめってるよ。ユウトのアタマの中、アンタじゃなくてカレシのハダカとかじゃないの?」


チズルはミドルティーンながら、いっぱしの悪女さながらの佇まいで腰の入った嫌味を3人にまとめてぶつけた。
これをヨーコはとろんとした目で、もうべったり体が密着状態のユウトへ何ともなコトバを放った。


「あらー、そうなの?今あなたがコーフンしてるの、私のハダカじゃないの~?ショックうう~~💦」


「痛てー!」


ヨーコはわざとらしいいじけ顔で、しっかりユウトの太ももをつねっていた。


「アハハハ…、律也君…。チヅルのヤツ、年下のアンタにやきもちだよ。彼女、今夜で律也君をユウトから消し去る気よ…。いいの、あなた、そうなっても…?」


チヅルは”ユウトと律也の間”に、もやっと漂っていた急所を得た踏み絵を突き付けた。


律也とユウト…。
この時、二人は様々な思いが渦のように純真な心とアタマを巡っていた。


で…、俄然、二人は共にじっと両の眼をその瞳に照らし合い、惹かれ合った同性の同級生への想いを自問自答するのだった…。




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