必ず、まもると決めたから。

田中くんに付き纏う愛ちゃんに対して、彼が嬉しそうな素振りを見せずに軽くあしらっていることが救いだけれど、もうひとつ私の心を揺るがすことが起きていた。


「あ、田中くんだー」

体育館に到着していた3年生の女子生徒数人が彼を取り囲む。

彼は会釈してその輪から抜け出し、愛ちゃんと3年生が睨み合う。


「田中くん、今度遊ぼうよー」

「ねー、どっか行こうよ」


新谷くんの親友だということはあっという間に全校生徒に広まり、田中くんも女子生徒の注目の的になった。

3年生までもが田中くんに親しげに話しかける。



「あー、また無視かあ」


特に反応を示さない田中くんに対して残念そうな声を上げるものの、懲りずに話し続けている。


少し前まで、私しか彼に話しかけていなかったのに。今はもう私が話しかける隙もないくらいだ。


女子生徒に囲まれるその姿を、遠いと感じてしまった。

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