必ず、まもると決めたから。
「私、声に出してましたか?」
「うん。はああああああ、ってため息ついてたよ」
「そんなんじゃないですよ」
「え、そうかな」
くすくすと笑われた。
目を細めて爽やかに笑う彼のことなら私も知っている。
新谷 京介
学校中の人気者だ。
パーマをかけた金髪はふわっとしていて、透き通る肌と相まって外国人のような雰囲気を漂わせる。
整った眉に長いまつ毛、高い鼻。どのパーツも整っていているが、一際目立つくっきり二重の大きな目はキラキラと輝いている。
右耳にシルバーのスペードのピアスをつけた派手な容姿の彼は、不思議御三家のひとりで遙が登校していたら喜んでいただろうに。
「ねぇ、それ貸してくれない?」
「はい?」
「1限目は英語なんだけど、教科書忘れちゃってさ。誰かに借りようと思ってきたんだ」
新谷くんは1年A組で、ここはE組。確かに用がなければ他クラスには入って来ないだろう。
「あ、はい。私は4限なのでそれまでに返してもらえれば大丈夫です」
教科書を差し出したが、新谷くんは受け取らなかった。
「あの?」
「ねぇ、なんで敬語なの?俺たち同級生でしょ」
にっこりスマイルでそう問われて、ああこの笑顔は人を惹き寄せるものだと遙の気持ちが少し分かった。