必ず、まもると決めたから。

「女子はみんな好きだろ、ああいう奴」だって?勝手に決めつけないで。

せっかく仲良くなれたのに
その他大勢の女子と一緒にされたことが悔しくて、考えるより先に口が動いた。



「私は、新谷くんより田中くんの方が好きだから」


ーーそう口走っていた。



田中くんの口がポカンと開いたままなことを確認し、やっと自身の発言を振り返る。


待って、今、私、なんと?
なんて言った?


時すでに遅し。
私の勢いに任せた言葉は田中くんに届いた後だということを気まずい空気が証明している。


「の、喉渇いた!」


コップを掴み、その場を逃げ出すことしかできなかった。

ただ、ドリンクバーは目の前なんですけどね!
トイレって言った方が良かったんじゃない?


ミスにミスを重ねて、彼の前から逃げ出したい衝動が走る。

ねぇ、どうしてこうなった?


< 52 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop