星と月と恋の話
第15章
――――――…星さんとお付き合いするようになって、およそ三週間が経過した。

その間に、何回かデートというものをして。

ゲームセンターに連れて行かれたり、カラオケに連れて行かれたり。

かつてない経験をして、世界の広さというものを実感した。

でも、そんなことより一番驚くのは。

自分が、星野唯華という女性と男女交際しているという事実である。

未だに、朝起きる度にびっくりする。

え?本当に僕、星さんと付き合ってるんだろうか?って。

…本当なんだよなぁ…。

全然実感がない。

多分、あと三ヶ月は慣れないままだと思う。

自分でも、何でそんな選択をしてしまったのか…。

でも、不思議と後悔はないのだ。

むしろ、こんな毎日が、いつにも増して楽しいと。

そんな風に思ってしまう自分がいて、これもまた驚くばかりだ。

自分の知らない自分が、次々と見えてくるようで。

毎日が、とても新鮮に見える。

雲の上をふわふわと歩いているような…そんな不思議な気分だった。
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