星と月と恋の話
30分後。

支度を済ませた私は、家を出て、学校に向かった。

相変わらず几帳面な結月君は、私が来るより先に、待ち合わせ場所に着いていた。

一度で良いから、君より早く待ち合わせ場所に着いて、君が来るのを待っていたかったよ。

「やっほー、結月君」

「おはようございます」

今日も相変わらず、結月君は和柄模様の服だ。

そのパーカーの胸についてる、桜の刺繍。

あれ、結月君が自分で縫ったのかなぁ。上手だなー。

「よし、じゃあ行こっか」

「はい」

私は結月君を連れて、自分の家まで案内を始めた。

一緒に帰ることは幾度となく合ったけど、いつも途中で別れてたから。

今日は、家まで一緒なんだよ。凄いね。

「ごめんね?いきなり呼びつけちゃって」

「いえ…。丁度休憩しようと思ってたところでしたから」

休憩って…。

「一体いつから勉強してたの?」

今、午前10時だよ?

電話したのが30分くらい前で…。その時点で勉強してたんだよね?

「朝食の後からずっとなので、7時くらいからですかね?」

君という人は、朝から何をやってるのさ。

え?7時から、私が電話を掛けるまでずっと勉強してたの?

7時なんて、私寝てたよ?

「休みなんだよ?今春休みなのよ?」

「知ってますよ?」

「何でそんな早起きなの?」

「何でって。休みだろうと休みじゃなかろうと、いつも同じ時間に起きて、毎日早朝ジョギングしてるので…」

そうだった。

朝からジョギングしてるんだっけ?結月君は。

「この時期は良いですよ。空も明るくなりましたし。少しずつ桜が咲いていく様子が見られて、毎日楽しみです」

「そうなんだ…。…私も走ってみようかな?」

「続かないことは、やらない方が良いんじゃないですか?」

「…あはは…そうね…」

ちょっと傷つきました。

私だって、早朝ジョギングくらいやれば出来…。出来…る…かな?

…三日くらいなら頑張れる。

つまり三日坊主ってことだな。いやはや、さすが私だ。

「結月君が真面目過ぎるのよ…」

「僕と唯華さんを足して2で割ったくらいが、丁度良いのかもしれませんね」

そうね。両極端なカップルだわよ。
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