ガキ大将と猫(溶け合う煙 side story)
彼のマンションは思っていたよりセキュリティのしっかりした建物で、10階って思ったより高さがあるんだなぁ…、と思った。

男の一人暮らしって、6畳ひと間でごっちゃり片付いていないのかと思っていたのだが、1LDKの彼の部屋はシンプルでデザイナーの部屋かと思うほどオシャレだった。

「立ってないで座れよ。」

「あっ、はぃ。」

先輩に促されてソファに座る。

カフェテーブルに出されたのは私の好きなメーカーのアイスレモンティ。

「お前、このレモンティ好きなんだろ?」

…何で。わかったの?

「あ、うん。好き。」

と言って先輩の方を見ると先輩の顔が真っ赤になっている。

えっ!?
何で??

「あんま見んなよ。好きってレモンティの事だってちゃんと分かってるから!!」

はっ?
私の言った『好き』って言葉に反応しちゃったの??

…かわいい。

男の人を可愛いなんて感じたのは初めてだった。

先輩は自分用にコーヒーを淹れ、私の隣に座わる。

「企画課の加藤、総務課の川村、製品サポートの岡本。この3人がお前に気があるそうだ。」

「えっ?」

突然この人は何を言い出すんだろう?
私がそんなにモテるわけがない。

「お前、この3人の中で好きなやついるのか??」

「…いえ。あまり接点もないですし…。絶対に先輩の勘違いですよ。」

「本人たちから聞いてるから間違いはない。この3人と俺なら、お前は誰を選ぶ?」

「何で四択なんですか!?」

「俺はお前に選ばれたい。」

えっ!?

ドキッとする言葉に固まっていると、本日2度目のキスをされる。
< 10 / 12 >

この作品をシェア

pagetop