童貞を奪った責任




 見ず知らずの男に不意打ちで裸を見られて、思考停止中。



「七海(ななみ)さん、姐さんの裸なんか見た暁には、若頭に殺されますよっ!!」


「いいや、もう見ちゃったし....。」


「ぇ?....ぇぇえええええ!!」




 天竜さんのものと思わしき声と、七海と呼ばれた白髪版詠斗。


 “絶対に見ません”と意思を表示するように、天竜さんは片手で目を覆い被さりならが、七海と呼ばれた男を引っ張って脱衣所から去って行った。






「―――――チッ。」



 再び静かになった浴室で、木霊していく悪魔(詠斗)の舌打ち。


 嗚呼、なんてこった。また面倒くさそうな男と遭遇してしまった様な気がして、ぽっくりと逆上せた私は意識を失った。













・ ・ ・






「なあ、天竜よ.....。あれ俺の弟だよな?」


「はい、そうですとも。」


「一緒に居たのダッチワイフじゃないよな?」


「ええ、勿論生きてる人間ですよ。」


「ハチって、てっきりゲイだと思ってたんだが....。」


「そんなの、組員全員思ってましたよ。」


「何者なのあの子。」


「さあ....兎に角、若頭はどっぷりハマっちゃってるみたいですけどね。」


「ふぅ~ん。」





何だか面白そうな気がするな....。


詠斗の兄?七海登場?さてさて、もうひと波乱起きそうです。





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