わたしのスパダリな婚約者



わたしの方でも自己紹介をしてからこのままでもなんだからと紅茶を頼む。学園に併設されているカフェテリアはさすがというか、紅茶やお茶菓子の質が高い。高位の貴族が通うこともあるからだろう。


下手したら実家のものよりも品質がいいのよねぇ。しかも無料という懐が心許ない人にとってはとてもありがたい仕様になっている。


紅茶が届くのを待ってからもしばらくは無音が続いたけれどこちらから他愛もない話題を振っていると緊張もほぐれたらしい。照れたようにはにかむ表情が愛らしくてほんわりしてしまう。



「リーレ様はお菓子作りをするのですね」


「えぇ。貴族の令嬢がするには少しはしたない趣味かしら?」


「いえ、そんな。とても可愛らしい趣味だと思いますわ」


「ふふ、ありがとう」



そんなメルティ様の趣味は花モチーフの小物を集めることらしい。なんだか女の子の趣味という感じがしてかわいいなぁとほのぼのする。



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