わたしのスパダリな婚約者



最初の雰囲気はなんだったのかと思えるぐらい話題は尽きなくて、話をしている間に結構な時間が経っていたらしい。そのことにメルティ様もびっくりしていた。



「本当に申し訳ありません。ほんの少し時間をいただくつもりだっただけですのに…」


「あら、こんなに愛らしいメルティ様と楽しくお話できたのですもの。むしろ感謝をしなければ」



悪戯っぽく笑って言うとちょっとだけ頬を染める姿がなんとも言えず可愛らしい。妹たちを溺愛するシエタの気持ちが少しわかった気がする。わたしに妹がいたらこんな感じなのかしら。


そろそろお開きにしないとお互い家に帰るのが遅くならないかと声をかけようとすると、先程までの笑みを消して悲しげな表情をする姿に小首を傾げる。



「メルティ様?どうかされました?」


「………本当は、わたくしリーレ様に嫌なことを言おうと思っていたんです」


「嫌なこと??」



果たしてこんなに善良な子が言う嫌なこととは本当に嫌なことなのだろうかという疑問はさておいて、このまま話を続けたそうだったので笑みを浮かべて話の続きを待つ。




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