素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
 その鍵を受け取って、ゴトフリーはちゅっと優しくキスをくれる。

「ありがとう。俺が休みの日は夕飯準備して待ってるよ……俺もね、アリスに渡したいものがあるんだけど」

 首を傾げたアリスの右手を取って、その薬指に指輪を嵌めた。かわいらしい模様の描かれたいかにもアリスの好きそうな指輪だった。

「ゴトフリー……嬉しい! ありがとう。でもどうして私の指のサイズわかったの?」

 その言葉にゴトフリーはにやっと笑った。

「リリアに聞いた。彼女とお揃いでアクセサリー買ったりするんだよね……俺のアリスはほんとかわいいな……」

 しみじみとそう言ったゴトフリーにアリスは抱きついた。

「リリアに相談したの? 私がブレンダンさんに相談したら怒ったのに」

 口を尖らせたアリスに吹き出すと、ゴトフリーはゆっくりと腕を回して抱きしめた。

「リリアと話したのは、人が大勢居る所だし、あんな人目を憚るような話題じゃないだろ? 拗ねないでよ。アリス。今夜はいっぱい気持ちよくしてあげるから、機嫌直して」
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