竜に選ばれし召喚士は口説き上手な外交官に恋の罠に落とされる

19 熱々

「……新しい住居は、慣れたかい? ラスはすぐに落ち着けたか?」

 ナトラージュを自室に呼び出した師匠のアブラサスは闘竜のラスを、孫のように可愛がっている。ナトラージュがこの人界での母親代わりというのであれば、彼が祖父代わりといえるのかもしれない。

「ええ。ありがとうございます。ラスは広い部屋を飛びまわれて、とても満足しています。これまでは、部屋の中で飛ぶことも出来なかったので」

 師匠の言葉に、笑顔を見せて答えた。

 シルフィードを常に召喚出来るという事実で、一人前の召喚士だと認められたナトラージュはこの前に見習いの部屋を引っ越していた。

< 183 / 228 >

この作品をシェア

pagetop