孤独を好む僕。

疑問、変化、快楽

第5章

  [疑問]

〜放課後〜

連絡先も家も知らないのに、
どうやって学校終わりに話そうと言うのだ。
そもそも僕は話したくない。

教室を見渡しても彼女はいない。

まぁ冷やかしだよな。帰るか。

放課後は少し好きだ。
やっと家に帰り本を読める。
僕は唯一、本を読むのが好きだ。

主人公のように生きられたら。
こうゆう世界なら楽しそうなど、

少し夢をもらえる気がする。

上靴をロッカーに入れ、
外靴に履き替え、いつも通り帰ろうとしたら、
校門に、彼女の影が見えた。

橘( あー!やっときた!何してたのさ‼︎!)

暁( 君こそ何してるんだ?)

橘( 一緒に帰る約束でしょー!
  忘れたの?)

暁( 帰る約束なんかしたか?
    確かに放課後とは言われてたが…)

橘( 放課後ね!は一緒に帰ろーでしょ!)

暁( 君の語彙力はどうなってんだ。)

橘( 普通でしょ!君こそ
        理解力どーなってんの!)

暁( 僕は君と絡む気はない。
     君と話してたら周りの男に
         命を狙われかねない。)

橘( えー!何で私と絡んだら、
     周りに殺されるのよ!私
      そんなに嫌われてないわよ!)

暁( 君じゃない。僕は陰キャで三軍。君は
   陽キャで一軍だろ?噂の標的に
   なりかねない。
  
 ( 僕は静かに生きたいんだ)

橘( え、陰キャ?静かってこと?
  私別にそんなうるさくないんだけど!)
 
 ( 一軍とか三軍とかわかんないけど、
    私は自分が話したい人と話すの!)
 
 ( それとも私が近くにいると迷惑…?)

暁( 迷惑だ。)

橘( そんなはっきり言う!?)

なぜだか涙目な顔をしている。
申し訳なさが出てとっさに言葉が出た。

暁( すまん!そーゆーこと
  じゃないんだ。)

 ( ただ、周りの目が怖いんだ。)

橘( そんなの私が守ってあげるよ!)

暁( 何でそんなに僕と話したいんだ?)

橘( え、あ、気になるんだ!)
 
 ( 君が今どんな感情なのか
     君の目には何が見えているのか)

話し方に一瞬焦りが見えたが、
嘘をついているようには見えない。

暁( そんなの知っても
  きっとつまらないよ)

橘( でも本読んでる時の暁くん
         楽しそうに見えるよ!)

暁( 本は好きなんだ、その時だけは
       物語の中にいる気がして。)

橘( あー!わかる!私もドラマ見てる時
 私もこんな事できるかなとか思うもん!)

暁( そうなんだ!本は不思議な力があると
   思うんだ。ただの文字なのに、
   作者が伝えたいこと、思ってる事が
   わかるって言うか、
   なんていうか…あ、ごめん!
   なんか馬鹿みたいだよな。)

橘( そんな事ないよ!なんか、
  私そんなたくさん本とか読まないけど、
   暁くんの気持ちすっごい伝わった!
   暁くんの好きな本貸してよ!
  見たい!)

暁( あ、おう。でもきっとつまらないぞ)

橘( じゃあ近くにカフェあるから
  そこで見よ!立ち読みもあれだしっ!)

暁( 別にいいけど… )

〜40分後〜
カフェにて。

橘( ウッ…グスン..グスン…)号泣

!?
暁( これで号泣してる人初めてみた。)
 ( そんな悲しい話じゃなくないか…?)

橘( なんか、話はとてもいい話なんだけど、どこ悲しい気がするんだよね。)
 ( ここの、僕たちは永遠に最高な友達だ!ってすごい悲しいセリフじゃない?
だって好きな人が友達なんて悲しいよ)

暁( 好きな人って友達としてじゃないのか?だって好きって言ってないし、そんなセリフひとつもないぞ?)

橘( 好きにセリフなんていらないよ!
   仕草や行動でもわかるのー!きっと、
   振られるとわかっててわざと、
   言わないようにしてるんだよ。
  その人との関係を崩したくないから。)

暁( そうなのか?言わないとわからんだろ)

橘( なんもわかってない!!)
 ( 人は別れが怖いんだよ!その人と
   もう話せなくなる。嫌われる。って
   思っちゃうのー!だからわざと
   言わないの!わかる!?)

暁( 人を好きになった事ないからな。)

橘( え、。)悲しい顔

暁( そんな悲しい顔で見るなよ。)

橘( いや、人のこと好きになった事ないって中々いないなぁと思ってさ?)

暁( まぁあまり人と絡むような
          性格じゃないしな。)

橘( 確かに学校でもずっと本見てるよね)
 ( 友達とかいないの?)

暁( んー。たまに話す人はいるけど、
   皆みたいに毎日一緒。みたいな人は
            いないかもな。)

橘( 絶対自分から話しかけないでしょ!)
 ( 暁くん面白いし友達できると思うけど)

暁( 面白い?俺が?気の所為だよ。)
 ( あと友達がいて何になるってわけでも…

橘( そんなことない!)
 ( 友達いたら楽しいし嫌なこと
            忘れれるよ?)

暁( きっとそれは嫌な事じゃないよ。)
 ( 友達がいたから幸せとは限らない。)

橘( なんでそんなひねくれてるかなー。)

   ムスっとした表情でいじけてる。

暁( すまんな。ネガティブなんだよ俺。)
 ( こんな俺もいてもつまらないよ。)

言葉を捨てるように履き、僕はその場を去った

橘は何か言いたげにしてたが、
何も言わず立ち尽くしてた。

僕は人と絡むのが嫌いだ。

人は必ず別れが来る。
早かれ遅かれそういう運命なんだ。

それなら話してても、話さなくても
変わらないだろ。

そんなことを考えてたら、

ソファーで眠ってしまっていた。




第6章
  
 [変化]

暁( 痛っ!!!!)

朝目が覚め、自分がソファーで寝てしまったことを思い出す。何とも言えない痛さ。

目覚めは最悪。ふと昨日の言葉を思い出す。

( 友達がいたら楽しいし、
        嫌なこと忘れれるよ?)

暁( 何考えてんだか… 友達なんか。)

時計を見ると7時30分。

学校まで30分だった。

暁は焦り準備を始めた。

シャワーに入り、学校の準備をし、
急ぎすぎてご飯食べるのを忘れた。

急いで学校に向かい、
息が荒くなり、汗がたれる。

そして、後ろから僕より
息を荒くした橘が居た。

橘( あ、暁くん!おはよー!)
( 急がないと遅刻しちゃうよ!!)

暁( お前もだろ!急ぐぞ!)

走っている間に昨日の会話を思い出した。

橘( あ、昨日はごめんねー!
     つい暑くなっちゃってさー!)

暁( いや、俺も悪かったし…)

橘( よかったー!あと暁くんこれ!)

リュックから何かを出し、渡してきた。

暁( あ、これ…)

橘( 好きな本なんでしょー!
   渡そうと思ってたのにごめんねー!)

暁( 怒ってないのか…?)

橘( え?なんで怒るの?)

暁( あんなこと言ったら
       普通に呆れるだろ)

橘( そんなのじゃ怒らないよ笑)
 ( そんなことよりもっと本貸してよ!)
 ( 昨日見てから他にも見てみたくてさ!)

暁( 別にいいけど。
    お前に良さがわかるかなぁ)

橘( なんでそんなこと言うのさー!)

むすっとした顔をみて笑ってしまった。

心なしか少し安心した用に思える。

暁( この本綺麗事多いが嫌いじゃない)

橘( ありがとーっ!読み終わったら
            すぐ返すねー!)

橘は嬉しそうに学校に入った。

先生( お前ら遅刻だぞ!)

暁( え、嘘だろ。)
橘( えー!うそでしょ。)

うちの学校は遅刻にすごい厳しい。
就職先に特化した学校で、
就職した時に時間厳守をしっかり
できるようにとか。

2人とも怒られて、2人で
その規則に文句を言っていた。

橘( 遅刻くらいで先生うるさくない!?)

暁( 仕方ないだろ?規則なんだから)
    ( まぁにしてもうるさいよな。)

そんなたわいもない話をしながら
なんだか笑えてきた。

暁( 悪くないかもな。)

橘( んー?なにがー?)

暁( いや、なんでもない)

橘( えー!なによ!!!)

たまには人と話すのも悪くない。
そう思っていた。教室に入るまでは。

ガラガラガラ…

暁( なん…だこれ…)

教室の黒板に、馬鹿らしいデマを
チョークでたくさん描かれてた。
暁&橘 熱愛!まさかのカップル
放課後カフェデートもしや同棲?

⁇子( 最近やけに話したりしてるの
       見かけるからおかしいと
             思ってたのよ。)

モブ男( まさか。橘さんが…)

モブ男( なんで三軍の暁が…)

馬鹿馬鹿しい。そう思っていたのに、
とっさに声が出た。

暁( ふざけるな!誰だこんな
       馬鹿みたいな事したの!)
 ( お前らこんなのが楽しいのか!)
 ( さすがバカは考えることが違うな!)

気が狂ったように怒ってしまった。
きっと焦りやこういうのに、慣れてないからだ

その時袖を優しく掴み、
橘が小声で言った。

橘( そんなんじゃみんな怖がっちゃうよ)

その言葉で少し落ち着いた。

橘( みんな!違うの!)
 ( 私が本を読みたくて話してただけ!
   友達同士でもよくやるじゃん!)
 ( 暁くんいつも本読んでるから
     たくさん知ってそうだなって!)
 (変な誤解させちゃってごめんね!)

その言葉に皆が安心した顔をしていた。

⁇子( じゃあ本当に付き合ってないの?)

橘( そうだよ!さくら!付き合ってたら
        桜に一番に言うじゃん!)

桜( だって最近すず絡んでくれないから!)
  ( あんた!すずに
     なにかしたら許さないから!)

暁( なんもしてねぇよ。。)

さっきまでデマを晒されたとは思えない
空気だった。相手が橘で良かったと
謎に思えた。

桜( すずは私のなんだから!!)

橘( そうだよー!私は桜のー!)

謎のデレデレを見せられ少しムカついた

暁( ハイハイ。勝手に言ってろ〜)

橘( そうだ!なら今日3人でどこか行く?)

桜( えー。)

露骨に嫌そうだ。

暁( いや別におれは…)

橘( 決まりっ!今日の放課後ねー!)

桜( すず言ったら聞かないからねー笑)

暁( なんで俺まで…)




第7章

  [快楽]

僕は楽しいことが嫌いだ。
楽しいことをしたあとはそれが無くなると
依存し、他のもので補おうとする。

橘( 2人とも遅いー!はやく!)

暁( お前が早すぎるのー。)

桜( すずあんま走らないのー!)

橘は桜の声が聞こえてないのか、
ルンルンで走っている。

桜( ねぇ)

暁( なんだ。)

桜( すずのこと好きなの?)

暁( は!?んな、なわけないだろ!)

桜( ふーん、でも最近絡んでるじゃん)
 (クラスで噂だよ?付き合ったんじゃって)

暁「 そんなわけないだろ。大体、俺じゃ
            釣り合わんだろ」

桜「 何当たり前抜かしてんの?」
 「 お前みたいな三軍釣り合う以前
        隣にいるのも勿体無いわ」

暁「 そこまで言うか、?」

桜「 すずに聞こえないから言うが、
    私はお前がすずの近くにいるのが
             理解できない」

暁「 別に俺から絡んでないし。」
 ( てか話し方きつくなってね?)

桜「 すずは純粋だからな。興味のある方に
   ころころーって行くの。」
 「 あの時だって…ボソ」

暁「 ん?最後聞こえなかったんだが」

桜「 ! なんでもないわよ!」

暁「 てかさっきから話し方が
     橘といる時と少し違くないか?」

桜「 お前に優しくするまでもないだろ」
 「 話すのも今日が最後よ」

暁「 最後?最後って…」

桜「 悪いことは言わないから
   すずとはもう関わらない方がいいよ」

暁「 急だな。理由は?」

桜「 お前ファンに殺されるよ」

暁「 ファン?」

桜「 すずのよ。学校ではすずが
 好きで好きでたまらない人が大勢いる。」

暁「 あー、アイドルの
  オタク的なやつか?」

桜「 まぁそうだな。あいつらが日に日に、
   お前へのイライラが増えてる。」

暁「 だからなんなんだ。」

桜「 その中に厄介がいるんだよ。」

暁「 厄介?」

桜「 そう。3年の傑(すぐる)さんだ。」

暁「 すぐる。。なんか聞いたことあるな」

桜「 当然。格闘技で日本大会にも
出てるもん。」

「 そいつは自分がすずと釣り合うと傲慢な発想を押し付けすずが付き合わない事を根に持ってるんだよ、。」

暁「 ほう。でも俺から
  絡んでるわけじゃ。」

桜「 そんなの周りからしたら
  関係ないでしょ!馬鹿なの!?」

暁「 そんな…でもあいつの性格上
俺が絡まなくてもあいつから
 来るじゃん?」

桜「 それはお前がどうにかして。」

暁「 そんな無茶な…」

橘「 ねぇ!さっきから何2人で
  仲良くしてるのー!私も入れてよ!」

桜「 そ、そんなんじゃないよ!
  ちょっとこいつに確認してたの!」

橘「 確認…?」

桜「 そ、そんなことどうでもいいから、
  早く行こー!」

暁「 これからどこ行くん?」

橘「 え?そんなのカラオケに
  決まってるでしょ?」

暁「 え、は!?やだよ!!俺
  人前で歌ったことなんかないし!」

桜「 はぁ!なんでこんなやつ連れて!!」
 
橘「 えー!じゃあ私たち初めてだねー!」
「 桜も!そんなこと言わないの!」

暁「 絶対やだ。俺…」

橘「 じゃいこー!」

橘は俺の意見が聞こえてないような
 遮り方をした。

暁&桜「 えぇ…」

 




 
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