Honey Trap
「、ぅ…」
さっきまでとは比べ物にならない、熱と質量に侵される。
何度、経験したってこんなもの、慣れるわけがない。
ゆっくりと抽挿を繰り返して、馴らしながら徐々に深くなっていく。
薄汚れた白壁にしがみついて刺激に耐える。
ふいに、リズムが途切れていきなり最奥を貫かれた。
「ん、」
「悪い子」
笑み孕んだ声で、吹き込むように直接耳に囁く。
酷く愉快そうに欲をぶつけて、肌を弄ぶ。
煮えたぎった欲望に、理性も思考もどろどろに溶かされていくみたい。
拒みきれない私もどうかしている。
「は、…はぁ、」
満足したのか唐突に解放されて、息も絶え絶えの私は体を支えきれず、ずるずると壁に沿って床に座り込む。
「熱、冷めてから帰れよ?」
もうすっかり名残りなんて感じさせない男は、私の頭にぽん、とひとつ触れるとそのまま部屋を出ていった。