強烈な旦那様♡おバカなカメ
「ごちそうさん。
じゃあ、仕事すっから」
夏菜の頭をポンポンと撫で、部屋に向かった李範。

在宅ワークの時は、朝食を食べると部屋にこもるのだ。
「あ、買い物に行くなら声をかけろよ?
一人では行かないこと!」

「うん、わかった!」

仕事部屋に向かった李範は、眼鏡をかけ仕事にとりかかる。
パソコンのキーボードやマウス等の、作業中の音だけしかしない静かな空間。

すると………
バサバサ…キャー!!?と、何か物が落ちる音と夏菜の悲鳴が聞こえてくる。

李範はフフ…と微笑み、はぁーと息を吐いて、部屋を出た。


「カメ、どうした?」

「あ!りーくん!?ご、ごめんね!
うるさくして!!」
キッチンへ向かうと、鍋や調理器具に埋もれた夏菜がいた。

「はぁ…何を取りたかったんだ?」
「あ…このお鍋を……これ、軽くて使いやすいから」

「だったら、俺を呼べ」
「だって、りーくんは仕事中だもん!」

「だったら、踏み台を使え」
「う……ごめんなさい…」

「………」
「………」
無表情の李範を、窺うように見上げる夏菜。

「…ったく、ほら!手伝うから、片付けるぞ」
「うん」

一緒に片付けをし、部屋に戻った李範。
後ろ手にドアを閉めると、笑みが漏れた。
「………フフ…つか、可愛すぎだろ…/////」

身長差がある二人。
夏菜が李範を見上げると、上目遣いに見えるのだ。
それが、可愛くてしかたがない。

李範はクスクス笑いながら、仕事を再開した。


夏菜が洗濯物をベランダに干していると、李範からメッセージが入る。

『12時半に休憩する』
淡々とした、メッセージ。

トロくて、何をするにも時間を要する夏菜。
だから李範は、いつも早めに夏菜に伝えてくる。

夏菜がバタバタしなくていいように。

「12時半…
…………12時半!!?
嘘!?もう一時間もない!
急いで、お昼ご飯の準備しなきゃ!!」

でも結局夏菜は、バタバタと家事を行う。

メッセージ通り、12時半頃にダイニングに戻ってきた李範。
まだ夏菜は、調理中だ。

「あ!りーくん!ごめんね!まだ出来てないの」
「ん。手伝う」

夏菜がモタモタしてる横で、無駄のない動きで器用に調理していく。
あっという間に出来上がる。

「よし、食うぞ」
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