社長は身代わり婚約者を溺愛する
「もちろん、辞めません。」

「根性、あるんだ。」

ふと下沢さんを見たら、また不敵な笑みを浮かべていた。


辞められない。

芹香への借金を返すまでは。

私は唇を噛み締めた。


出勤すると、皆私が倒れた事なんて知ってか知らずか。

いつも通りの会社の雰囲気に、内心ほっとした。


「森井さん。資料の整理、頼める?」

下沢さん以外の人から、仕事を頼まれるのは、初めてだ。

「はい。どうするばいいですか?」

「こっちに来てくれる?」

同僚の女性が、手招きをした先には、大きな棚があった。

その前のテーブルには、大量の書類が置かれて行った。


「これは……」

「ウチの会社ね。今、ペーパーレス化していて。昔の資料とかを、PCに読み込んでいるのよ。その残骸。」

この大量の資料を、クラウド化。

凄い作業。

「それで、読み込んだ資料を、またファイルに閉じて、棚に戻して欲しいのよ。」

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