社長は身代わり婚約者を溺愛する
「それもそうね。でも、この話は聞いた?」

「何よ。」

「黒崎さんの会社に、沢井薬品が出資するって話。」

「えっ⁉」

私は信一郎さんを見た。


「悪い。いつの間にか、そういう話になっていて。」

「両親が、決めていたって事?」

「ああ。」

何かと出てくるお互いの両親。

何なの⁉

子供達を駒にして、一体何を企んでいるの⁉


「黒崎さんは、礼奈と結婚して、何を得るの?」

「それは……愛する人と一緒にいられる時間よ。」

「ぷっ!」

何よ、その笑い方!

私だって、言うの恥ずかしかったんだから!


「これで決まりね。」

芹香は勝ち誇ったように、ニコッと笑った。

「黒崎さんには、私ともデートして貰って、どちらが黒崎家にとって得なのか、見極めて貰わないと。」

私は、右手をぎゅっと、握りしめた。

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