嫌だって言ってるのに
中内「だいじょうぶだよ。くるみちゃん。
最初の麻酔だけ頑張れば、あとは痛いことないから。
ちょっと怖いかもしれないけど、五十嵐先生も、光輝先生もずっとくるみちゃんのそばにいてくれるからね。
少しの間だけ頑張って、早く元気になろうよ。」
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くるみ「うぅ・・・・うっ・・・うっ・・・・」
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中「くるみちゃん、、?
僕の言ったこと、わかる?」
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くるみ「・・・・んっ・・・グスッ・・・・・・うん・・・」
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何かを覚悟したかのように、声を押し殺して泣いている。。
僕はそんなくるみちゃんの手を、ギュッと握ってやった。
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「僕もできるだけ痛くないように頑張るから。
くるみちゃんも頑張ろうね?」
くるみ「うっ・・・・うっ・・・・・うぇ~ん」
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再び泣き始めてしまったくるみちゃんだったけど、僕の問いにギュッと手を握り返して応えてくれた。
怖くてしょうがないだろうに・・・・・
くるみちゃんも精一杯頑張ってくれてるんだなぁ。
僕も早く退院させてあげられるように頑張らなくちゃ。
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数時間後、くるみちゃんのの処置をする時間になった。
くるみちゃんはというと緊張からなのか表情は硬く、何を話しかけても『うん』しか言わない。
僕のオペ着姿を見ただけでビクビクしてるし・・・・
でも、今の段階で泣いてないだけでくるみちゃんとしてはすごい成長だよね。
五十嵐先生もびっくり。
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優希「はい、じゃあくるみ、体起こして上の服脱いでくれるかな。」
俺はくるみをベッドの上に座らせると、体の前にテーブルをだしてその上に腕を乗っけさせた。
こうして前かがみにさせて背中から胸腔に針を刺す方法が、一番処置しやすいんだ。
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ここまで静かに従ってきてくれたくるみも、そろそろ限界が近づいてきたのか、手は小刻みに震えだしていた。
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智「かず、ちょっと背中押すよ?」
肋骨を触診しながら針を刺すところを確認していく。
くるみ「うっ!!・・・っい・・・うぅ・・・」
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骨をグリグリするの、けっこう痛いんだよね。
ごめんね。くるみ