海色の世界を、君のとなりで。

入学式の日、あんな強気な言葉を放ったのは、記憶の確認と気持ちの宣言。

叶えたいことを口に出して、絶対に本当にしてみせると誓った。


「奇跡だったんだ。あいつと巡り会えたのは」


一度目も、二度目も。


偶然も重なればきっと必然。


俺たちは出会うべくして出会ったのだと、そんな勘違いをしたっていいだろう。


けれど彼女は、かつて俺が好きだった、花が咲くような笑顔を見せなくなっていた。

どこか翳りがあるような、引き攣るような笑顔で。

大好きだったはずのバスケも、力を抜いて適当にこなしていて。

そして何より、自分の気持ちを言葉にしなくなっていた。

海に行けないと泣き出すようになっていた。


あれほど言霊を信じて、夢を持っていた少女だったのに。

俺に言霊を、信じることの大切さを教えてくれたのは彼女だったのに。
< 303 / 323 >

この作品をシェア

pagetop