海色の世界を、君のとなりで。
入学式の日、あんな強気な言葉を放ったのは、記憶の確認と気持ちの宣言。
叶えたいことを口に出して、絶対に本当にしてみせると誓った。
「奇跡だったんだ。あいつと巡り会えたのは」
一度目も、二度目も。
偶然も重なればきっと必然。
俺たちは出会うべくして出会ったのだと、そんな勘違いをしたっていいだろう。
けれど彼女は、かつて俺が好きだった、花が咲くような笑顔を見せなくなっていた。
どこか翳りがあるような、引き攣るような笑顔で。
大好きだったはずのバスケも、力を抜いて適当にこなしていて。
そして何より、自分の気持ちを言葉にしなくなっていた。
海に行けないと泣き出すようになっていた。
あれほど言霊を信じて、夢を持っていた少女だったのに。
俺に言霊を、信じることの大切さを教えてくれたのは彼女だったのに。