海色の世界を、君のとなりで。
「大丈夫だよ可奈。可奈が謝る必要なんて、これっぽっちもないんだから」
「でも、麗華先輩たち言い方きついし。何も言い返せなくてごめん」
「気にしてないから大丈夫だって」
可奈は少し……いや、かなり心配性だと思う。
先輩に言われるのは日常茶飯事でなんでもないことだし、さっきのはまだ優しい方だった。
ベンチメンバーである可奈はあまり見たことがないのかもしれないけれど、試合の時のスタメンへの口調はあんなものとは到底比にならないほどだ。
厳しい実力の世界だということを知っているからこそ口調だって荒くなってしまうだろうし、思いが強いからこそ怒鳴ってしまうことだってある。
でもそれは、正しいキャプテンと副キャプテンの在り方なのだ。
過ぎてしまったことはもうどうしようもない。
昨日の自分はサボるという道を選んだ。
この事実は変えようがない。
反省したら、もう割り切って前に進むしかない。