海色の世界を、君のとなりで。


「ナイシュー!」

「次ディフェンス、マーク捕まえて!」


インターハイ初戦、第四クォーター残り五分。

大きな声がコート上を飛び交い、声援が響き渡る。

点差は二点差でうちのチームが負けているけれど、五分五分(ごぶごぶ)の勝負。

接戦であるため、わたしを含めるいつものレギュラーメンバーで構成されたスタメンがずっと起用されている。


当然体力的にキツく、何度も諦めたいと思ってしまうけれど。

今までのわたしなら、力を抜いていたかもしれないけれど。

それでも、今は。


「頑張れ、頑張れっ!」


耳に届く声援。

汗を拭って、懸命に足を動かす。


可奈、中山さん、麗華先輩、真波先輩、星野。


負けるわけにはいかない。

諦めるわけにはいかない。

みんなの思いを背負ってたたかうために、わたしはコートに立っている。
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