君の甘い笑顔に落とされたい。
「それで冷ました方がいーんじゃない」
「えっ、ちょっ」
さすがに貰えないよっ。
だって、久世くんが買ったやつなのに。
慌てて返そうとするけど、久世くんは受け取ってくれない。
「嫌いな奴ので悪いけど。」
微かに笑みを浮かべて、久世くんはそう言った。
「っ」
滅多に見れない久世くんの笑った顔。
経緯はどうであれ、私だけに向けられことがあるなんて……。
「う、も、桃ちゃん、」
「茉白、大丈夫?タイミングまずったね、ごめん……」
ううん、いいの。
そんなことより、私、大丈夫かな?
ちゃんと心臓動いてる?
「まさか本当に久世のこと何とも思ってないとは……ごめんね」
「……ううん、でも、あのさ、」
一個、お願いがあるの。