君の甘い笑顔に落とされたい。
「桃ちゃんったら……椎名くんはただ心配してくれてるだけだよ」
椎名くんに絡む桃ちゃんの腕をそっと掴む。
そういうことしちゃいけません。
「椎名くんは体調平気?雨に濡れちゃったでしょ?」
「マジでピンピンしてる。いたって健康」
明るく笑う椎名くんにホッと胸を撫で下ろす。
「あ、そうだ。これ返すよ。あの時のハンカチ」
「あっ、ありがと……」
手を伸ばして、椎名くんからハンカチを貰おうとした時。
どこからか視線を感じた。
窓のほう……だと思う。たぶん。
不思議に思って、窓側へと視線を移してみれば。
「──っ、え」
頬杖をついた椎名くんが、窓側の自分の席から私の方を見ているのがわかった。