君の甘い笑顔に落とされたい。

「……あ、あれ?」


どこかに引っかかってしまっているのか、背中のファスナーがスムーズに開かない。
ど、どうしよう、これじゃあ1人で着替えられない。
桃ちゃんのライブにも間に合わない……!

ゴクリ、唾をのみこんだ。
こうなったら、もう方法は一つしかない。


「あの、久世くん……」


そーっと扉を開けて、外にいる久世くんに声をかけた。
まだウェイトレスの格好をしている私を見て、久世くんは首を傾げてる。


「あのね、すごく言いづらいんだけどね」
「なに」

「……えっ、と、」
「なんだよ」

「ふぁ、ファスナーを、開けてほしくて……その、背中の、なんだけど」

「……。」
< 259 / 284 >

この作品をシェア

pagetop