君の甘い笑顔に落とされたい。
いや、どうせ第一音楽室になかったら第二の方も探すことになるんだから。
どっちから探したって大丈夫!
「失礼します……」
控えめにノックをしてから、第一音楽室の扉を開ける。
部屋はカーテンが掛かっていなくて、電気が付いていなくても明るかった。
ピアノと机、譜面台……
あとは黒い……そ、ソファ?
なんでそんなものが音楽室に……って、
「(だ、誰か寝てる……!?)」
ソファからはみ出している足。
制服のスラックスを履いているから、きっと男子。
えっ、どうしてこんなところで寝てるの?
ていうか、幽霊とかじゃないよね!?
恐る恐る、覗き込んでみた。
「……えっ」
想像もしてなかった人物に、私はポカンと口を開けてしまう。