隣にいるのはツンデレ彩くん。
王子様じゃ、ないはずなのに。
風船ゲームで、密着してから……。


「おかえり、陽菜」

「た、ただいま……」


彩くんは、心なしか……いや、誰から見てもわかるほど、私に懐いた気がする。

今日はたまたま教室から友達と帰ってきただけで、普段は一緒に部屋まで帰るし。


なんなんですか、あなたは……。


「あ、あの、私やっぱり出てくる」

「は?なんで?」

「ちょっと用事」


そう言って部屋を出た。


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