君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
開演まであと30分。
着替えやヘアメイクも済ませて準備は万端。
私たちは体育館横の武道場を控え室として使わせてもらっていて、今はみんなそれぞれ楽器のチェックやチューニングをしている。
私は人前で演奏する前の、この独特の緊張感が好き。
今日はみんなが知っているJPOPからアニソン、クラシックと色んな曲を演奏できるからとてもワクワクしている。
今は劇やダンスが披露されている体育館ステージは14時から吹奏楽部のステージになる。
普通の高校の3倍はある体育館は、すでに多くの人で賑わいを見せていた。
「鈴、大丈夫?移動するとき、フルート持ってあげるからね」
「うん、蘭ちゃんありがとう。転けないようにしなきゃね」
「ほんと、気をつけてよお姫様っ」
「お姫様なんて、やめてよ〜」