君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
「可愛すぎて、誰にも見せたくない」
耳元で聞こえたその声に、じわっと頬が熱くなるのを感じた。
可愛いと言ってくれたことへの嬉しさと恥ずかしさが同時に込み上げてくる。
「まさか、王子役とか、いないよな?」
急に何か思い出したようにパッと腕を離すと、私の両肩に手を乗せてそう聞いてきた。
ギクっ
そんな効果音がぴったりと当てはまるくらいに肩が強張った。
「えっと・・・それが・・・ーー」
答えようとした時、私たちが立っている反対側にあるトイレから、十也くんが出てきた。
「っ!」
こんなタイミングで・・・。