君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
「・・・・・・」
こっちを向いた奏は、じっと私を見たまま黙っている。
あれ、・・・この格好だめだったかな・・・。
何も言葉を発さない奏を前に、急に自信がなくなってくる。
「・・・鈴、その格好で、出るの?」
「うん。・・・変、かな?」
「いや・・・可愛すぎ。・・・マジでこれで出るの?」
「うん、そうだよ」
「・・・鈴、ちょっと」
そう言って手招きした奏に、ドレスの裾を持ち上げて近づく。
その瞬間、手を引かれ、気づくと奏の腕の中にすっぽりとおさまっていた。