一度倒れたら、溺愛がとまりません!!

母親

南を連れて実家のドアを開けると
親父が南に抱きついた。

「南ちゃーん、久しぶりー!会いたかったよ、」

「晴のおじさん、おばさん?!」

「オイ、親父。南にちゃっかり抱きついてんじゃねーよ」
ハグが長かったので俺は嫉妬していた。

「そーよ、今度は私の番よ。
はー、南ちゃん会いたかったわよー。
綺麗になって、もう南ちゃんのお母さんそっくりよ」

「それも少し違うけど…」
南がとっかえひっかえ俺の両親に回されて
ハグされていたので俺の腕の中には?
と思ったが…

「おばさん…あい、たかった。おじさん、も、…あった…かい。ほんとに、会いたかった。、」
南が俺以外の前で初めて涙を流してた。
おふくろをおばさんと重ねていたのだろう。

「もう、なみだ、とまん、ない、ぐすっ、
ぅ、うぅ…」

「いいのよ、泣いて、こんな私でよかったらお母さんのことも重ねていいからね」

「おか、さん、、…うぅ、ぁ〜…」
やはり、母性には敵わない。南を連れてきて良かった。ホントに心からそう思った。
5分くらい南はおふくろに抱かれて泣いていた。
静かになったと思ったら、泣きつかれたのか眠っていた。

「…眠っちゃった。寝顔は昔から変わらなくかわいいまんまね」

「あぁ、よく二人でお昼寝していたのを思い出すよ」

俺は南をおふくろから奪って抱き上げた。
「俺の使ってた部屋で寝かせてくる」
ぶっきらぼうに言った。

「お父さん、晴基が嫉妬してるわね」

「あぁ、そうだな。俺たちにまでとは…
南ちゃんも苦労するわね、器が小さいこと」
二人で笑ってる。

俺は器は、小さくない。はず、
クソっ、何も言えない。
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