一度倒れたら、溺愛がとまりません!!
事故があったところに暖かい色味の花束が置いてあった。

そこに近寄って
「お父さんが先だったね。来てたんだ」

「うん、南も花置こうか」

お母さんが好きだった色の花を置いた。
そして、手をあわせた。

(やっと来れた。遅くなってごめんなさい。
お母さん、お母さん。やっと会えた気がする。やっと本当に会えた気がする。
あの時何もできなくて…ごめんね、
何か私ができてたら違ったかもしれない。
もし、私が迎えに来てなかったら…
もし、私がもっと早く来ていたら…)


(南、笑って!あなたは私に似て笑顔が一番かわいいんだから。ね、笑ってよ)

どこからかお母さんの声がした…

「うん、…お母さん!」
私は笑顔をした。涙でぐしゃぐしゃだったかもしれない。でも、私は笑顔をした。

この言葉を言えたとき、私は胸がいっぱいで気を失った。
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