NGなきワル/バイオレンス長編作完全版!👉自らに過酷を課してのし上がったワルの非情とどうしようもない”ある焦がれ”…。

チャプター10/ネオ・モブスターズ

本チャプターのあらすじ⤵

大打ノボルが横浜に帰還した大みそかの夜、殺人コーディネートへのロードへ針路を切ったグループのマンパワー13人が結集!ここに禁断の踏み絵は挙行された…。

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その1


大みそかの早朝、大打ノボルは横浜に到着した。
そしてその夜…。
権田組が経営する中華店の個室に集結した、チーム大打のマンパワーは12人…。

”ふふ…、まもなく到着する三貫野が加われば13人か。いいな、ベスト13だ。ちなみに今日は金曜だしな。年が明ける前に来いよ、タカハシ…”

北海道からグループ本拠地のハマに帰還したノボルが描く、この会合の絵柄は決まっていた。
メインの目玉は、三貫野ミチロウ第3の顔…、”タカハシ”デビューの披露だったのだ。

だが、厳密にはその”タカハシ”はまだ産声を上げていないし、ここに集った人間にも、そもそもその存在、意義も周知させていなかったのだ。

”これからオレの切り開く道は、次元を逸脱した魔のロードかも知れん。ここにいる何人かは、途中で脱落するだろう。ヘドを吐いて…。それくらいクラクラな道程なんだ。フン…、そう言うオレ自体がリタイア、カミングアウトってのも十分あり得るしな。要するに上等な訳だ、そこんとこが…”

...


宴席の幕開けは夜7時半ジャストからだった。
その場は、どこか無国籍モードな色合いが漂っていた。

だがそれは、決して寄り合い所帯の醸す雑居感など無縁な空間でもあった…。

「…じゃあ冒頭に、オレからだ。まず言わせてくれ。このハマは最高だ。暖かい…。ココがこんなにも暖かいとはな。…だからこそ、この際皆には告げよう。自らを凍えさせてこそ、温さを本質で知ることができるんだ。偽りなく感じられるその五感を研ぎ続ける人間のみ、オレは仲間と呼びたい」

「…」

「…ここに集ってくれた11人には、最低限の義務を強いる。それは、我らの進むロードへの協力姿勢となる。それを提供してくれれば、あとは自由だ。自分の人生を好きに歩めばいい。だが、オレの定めたウィロードは、その”最低限”の協力こそ、命を投げ出す本気度を必需としている。この理屈がわからないヤツ、納得できないヤツは、除夜の鐘が鳴る前にオレの前から消えてくれ。それまでならペナルティーを課さないと誓うぜ」

ここで会場の全員から、苦笑が起こった。

そして‥!
この後除夜の鐘がガンガン鳴っても、ノボルを背にして去る者は皆無だった…。




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