NGなきワル/バイオレンス長編作完全版!👉自らに過酷を課してのし上がったワルの非情とどうしようもない”ある焦がれ”…。
その2


”亜里奈か…!”

「ノボルさん…、その節はお世話になりました」

「うん…。それで、うまくやってんのか、こっちでは」

「はい。こっちでも相変わらず夜系で働いてるんですけど(苦笑)」

「そうか…」

「実は…、あなたには正直に言っておこうと思って…。もう好きな人できて。それで…」

亜里奈はノボルの眼光が鋭く光ったのを目のあたりにして、一旦言葉は途切れた。

それは、あの九州から去る博多空港でのノボルの恐い目…。
彼女はあの時を咄嗟に思い起こし、条件反射的な恐れから委縮してしまったのだろう。


...


「どうした?」

「いえ…。やっぱりその手の男性なんで、ちょっといいずらくて」

「いいか、亜里奈。さっき言った通りだ。お前は、オレのロードの帯同者を外れることはできない。だが、最低限以外は自分の選択で好きな人生を歩むことに、オレは何ら口を挟まん。で、誰なんだ?」

「東龍会の幹部で、折本さん…」

「!!!」

さしものノボルも言葉が出ず、仰け反りそうだった…。

...


「ふう…、お前って女はやっぱりすんなり収まるタマじゃあないってことか…。まあ、いいさ。好いた好かれたをオレがこうるさく管理する気など毛頭ないしな。自己責任でなら、いいさ。オレの”最低限”をクリアでな」

「わかってます。大丈夫です、私…」

”よし…、この女が今この場でこういう態度ならいい。マンストックに1ページ増したということで、むしろメリットだ。だが、相手は既婚者の直系幹部だろうが。しっかり確認だけはオレからしとくか。こんなんまで三貫野ってのでは、ヤツにはオーバーワークだし…”

ノボルはパートナーシップの相手、東龍会の幹部もストックリストにアップされる事態をあくまでポジティブに捉えていた。
しかしこの亜里奈には、やはりチェックを要すると判断したのだ。

「…じゃあ、オレには隠さずにな。”先方”には決して漏らさんから、安心して正直に話せ。いいな!」

「はい…、ノボルさん…」

そしてノボルの彼女への聴取は約20分に及び、それは細を極めるのだった…。




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